相棒と休暇をあわせて一度行ってみたかった京都・二条城へ。二の丸御殿は想像以上に素晴らしい空間で、城と言うよりはもはや美術館と言っても良いような素晴らしい空間でした。撮影禁止でお見せできないのが残念ですが、一度行ってみる価値は充分にあると思いますので、ぜひご自分の目でご覧下さい。
また、庭園と木々の美しさも癒される空間でした。特に北側の清流園から桜並木に至る紅葉の美しさは見事でした。
緊急事態宣言が解除されたという事もあって、遠足や修学旅行の学生さんたち&観光バスが溢れてはいましたが、彼ら彼女らはガイドさんの説明がある場所以外は行儀よくささっと通り過ぎてくれるので、さほど気にはなりませんでした。
ゆっくりと見て回るとたっぷり2時間はかかります。また、二の丸御殿は靴を脱いで廻ることと、場内はほぼ砂利道なので脱ぎ履きしやすく歩きやすい靴で、スケジュールに余裕を持って行かれることをお勧めします。
脱ぎやすいことを重視したパンプスで行った相棒は、想定外の砂利道の歩きにくさに閉口していました。靴も埃で真っ白になってしまいますので、スニーカー系がいいかも。
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駐車場から二の丸御殿[国宝]まで
到着が10時頃になってしまったので駐車場も混んでることが予想されましたが、ダメ元で二条城第1駐車場へ。二条城の東側面、堀川通り沿いの駐車場入り口は観光バスと共通になっているので、大挙押し寄せる観光バスと一緒くたになってしばらく待たされましたが、誘導員の指示を待って無事停めることができました。
入り口は混んでいるものの一般用の駐車場自体は案外空いていました。
https://www.kyotopublic.or.jp/parking/search/detail/4f7978e6-006d-4d04-8466-851d4b4691b4チケットは昨夜アソビューに登録して電子チケットを購入済み。スマホでQRコードを表示させるだけで通過できるので便利です。「入場料+二の丸御殿観覧料」で一人1,030円でした。1人で代表して複数枚購入してから各自のスマホにQRコードをシェアすることもできます。
アソビューのサイトはコチラ(二条城のサイトからも行けます)
音声ガイドは1台520円。二の丸御殿以外は番号表示がないのでマップを見ながらにはなりますが、やはり音声ガイドがあるとわかりやすいです。一つの窓口で操作説明までするのでめっちゃ時間がかかります。
鶴の舞う姿が目に入りますが、蓬莱山を背負う亀や虎、龍、唐獅子なども彫られているそうです。
慶喜が諸大名に大政奉還を伝えた場所として有名な二の丸御殿。四角い部分が奥に向かって段々に配置(雁行形)される書院造りと呼ばれる建物です。
平屋なので外見は城っぽくなく落ち着いた風情ですが、6棟、部屋数33、全部で800畳余りという巨大な空間に狩野派の障壁画が次々と配置され、柱や天井にも豪華な装飾が施されていて、御殿と呼ぶにふさわしい、別世界感が強烈な空間でした。
それぞれの間に目的を持った屏風画が描かれていて、模写とは言えそれはそれは見事でした。修学旅行生たちが後ろをずらずらと通り過ぎる中、ひとつひとつゆっくりと鑑賞して時間を過ごしました。
謁見するためにやって来た来訪者が通される遠侍(とおざむらい)の間は、80畳の空間の四方に虎が描かれ、城郭考古学者の千田嘉博氏いわく「サファリパークの中に一人取り残されたかのような」空恐ろしさがあります。
かの大広間には大名の人形が置かれて臨場感が演出されていました。これから見る時代劇でここが登場したら、今までとは感じ方が違うだろうなと思わせられました。
一番奥の「白書院」の落ち着いた雰囲気は、将軍が親しい人たちとゆったりと過ごしたことを思わされ、印象に残りました。
歩くと「きゅっ きゅっ」と鳴く「鴬張り」という造りの廊下も印象的でした。「忍び返し」とも言われセキュリティ的に効果があったのでしょうか。それとも古くなって鳴るようになったのか。いずれにしても風情のある効果でした。
二の丸庭園[特別名勝]
なんとなく満たされた気持ちで二の丸庭園へ移動します。
本丸庭園
二条城のど真ん中、東橋を通って本丸へと進みます。
本丸御殿は耐震対策等の本格的な改修工事で2017年から見ることが出来なくなっています。現在の予定では2024年度までで、その後は二の丸御殿の改修が始まるようですので、二の丸御殿を見たい方は早めにお出かけになることをお勧めいたします。
後水尾天皇の行幸に備えて秀忠・家光により大改修された二条城。家康が北側に造った天守閣をわざわざこの位置に作り直したのも、後水尾天皇が大広間下段から能の舞台を見る際に、二の丸庭園を通して後ろに聳え立つように天守閣が見えるよう計算されたからだそうです。徳川幕府の力を天皇や公家たちにみせつけるために、二条城改修にかけたエネルギーは凄いですね。
伏見城から移築された天守閣、天守台も合わせて約44mの高さだったとのことですが、1750年に落雷で消失したということです。再建されないのは残念です。
本丸が真四角な形になっているのは、城壁の内側を雁木造り(階段状の構造)にすることに加えて正方形にすることで、内部の兵の移動を素早くできること、新米の兵でも場所がわかりやすくするためだということです。最小限の人数で効率良く闘うことができるように計算されていますね。
防御の城として緻密に計算されている二条城ですが、二条城大改修と共に造られた淀城、そして膳所城、亀山城で京都周囲の東西南北の防御網を構成。
さらには彦根城、伊賀上野城、大阪城、篠山城で第二の周辺ネットワークを構築。
そして姫路城、名古屋城、和歌山城、福井城の大ネットワークを構築。
その中心的存在としての二条城は、京都を戦から守る抑止力として、徳川幕府の見事な防衛構想を感じる事が出来ます。(参考:NHK ニッポン不滅の城「二条城」)
西側の森から北側の清流園へ
ようやく2つの御殿、庭園が終り、あとは清流園だけとなりましたが、距離的にはまだ半分です。二人ともやや疲れの色が見えてきました(笑)
左から畚下石(ふぐろいし)・紫貴船石・紅加茂石・糸掛石・畑石・鞍馬石・八瀬真黒石
この清流園は、江戸初期の京都の豪商・角倉了以(すみのくら りょうい)の屋敷から建物の一部と庭石約800個を譲り受け、これをもとに全国から集めた銘石300個と新たに加えた茶室で構成され、1965年(昭和40)に完成とのこと。意外に新しいんですね。
(こちら↓のブログを参照しました)
加茂七石の隣にあるこの看板を見て、ほぼほぼ「ぜんざい」を食べる気になっていたのですが、まだお昼ご飯食べてないからダメと相棒に窘められて断念しました(笑)
ようやく入り口付近に戻ってきました。くたくたです。しかし、お昼ご飯のことばかり頭にあって、この左側の展示収蔵館に障壁画の原画が展示されている事を忘れていたのは痛恨です。また来ねば(^^;;
たっぷり2時間半のお散歩でした。何もかも美しく格調高く、愛されている空間に癒されました。ぜひまた、再び訪れたいものです。
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このあとは三条商店街編↓へ続きます。
二の丸御殿で使った携帯くつべらをどこかで無くしてしまったので、新たに購入しました(^^;;
ひとつバッグに入れておくと予想外のくつ脱ぎ場面で便利です。
※と思ったら後日出てきました。無くし物、買ったら出てくるの法則です…(^^;;